ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男

ランド研究所を辞めハリウッドに飛び込んだアルバート・ラディは、パラマウント・ピクチャーズでマリオ・プーゾのベストセラー小説「ゴッドファーザー」の映画化を任される。その頃、ニューヨークでは急速に勢力を拡大しつつあるマフィアのボス、ジョー・コロンボが映画の製作を阻止しようと目論んでいた。

フランシス・フォード・コッポラとマリオ・プーゾが脚本執筆を進めるが、アルバート・ラディとベティ・マッカートは、フランク・シナトラを始め、ロサンゼルスのギャング ミッキー・コーエン、コロンボが率いるイタリア系アメリカ人市民権同盟など「ゴッドファーザー」の映画化に反対する勢力の増大に直面する。一方、ロバート・エヴァンスとガルフ・アンド・ウエスタンのバリー・ラピダスはパラマウント・ピクチャーズの方向性を巡って対立していた。

脚本の完成に向けて懸命な努力が続くなか、ラディはジョー・コロンボとの交渉に臨む。一方、エヴァンスはガルフ・アンド・ウエスタンのＣＥＯ チャーリー・ブルードーンとの間で窮地に立たされていた。ブルードーンはベティに心をひかれていく。

「ゴッドファーザー」の主演俳優の選考過程でマーロン・ブランドとアル・パチーノに対し出演交渉が進められるが、ラディはエヴァンスとコッポラとの間で板挟みになる。また、ジョー・コロンボの協力を取りつけたものの、彼の友人としての振る舞いに閉口することも。山積する問題への対応に追われるラディ。その影響でフランソワーズとの関係は、ぎくしゃくした状態が続いていた。

撮影の準備に奔走するラディとベティだが、ある日、悪夢のような問題が降りかかる。マフィアは引き続き映画製作の現場に食い込んでいるが、コロンボと悪名高い“ケダモノ”ジョー・ギャロとの間で緊張が高まっていた。

“大惨事”となった記者会見の波紋に対処するラディ。エヴァンスはパラマウントを救う作戦を思いつく。ガルフ・アンド・ウエスタン、パラマウントとマフィアが関わる騒動の結果、初日の撮影が中断に追い込まれるが、ベティが行動を起こす。

編集前の映像を見て不満を抱いたバリー・ラピダスがクーデターを企てるが、ラディが大胆な計画を立て、コッポラとアル・パチーノを降板の危機から救う。一方、イタリア系アメリカ人市民権同盟の集会を再び大々的に開催しようとするコロンボに対し、マフィアのボス、カルロ・ガンビーノが疑惑を深めていた。

イタリア系アメリカ人市民権同盟の集会で起きた流血事件の余波が広がるなか、ギャロが「ゴッドファーザー」の製作予算を脅し取ろうと画策。ラディはシチリアロケの資金を確保しようと奮闘する。一方、アリ・マッグローとの結婚が破綻したエヴァンスは平常心を失い、バリー・ラピダスにつけ入る隙を与えてしまう。

シチリア島での撮影が精力的に進められるなか、ラディはエヴァンスを仕事に復帰させるため急遽帰国する。ラピダスは撮影後の編集段階でも製作陣と対立、コッポラのビジョンを無視した指示を出す。一方、ベティは次の目標に向かって動き始めていた。

「ゴッドファーザー」がついに封切られ、作品は批評家から大絶賛を浴び、興行成績の記録を塗り替える。第45回アカデミー賞では思わぬ波乱が起こる。アルバート・ラディはこれからの人生と次のプロジェクトに思いをはせるのだった。