アンドレア･ピルロ監督の指揮の下、ユヴェントスにとって過渡期となる新しいシーズンが始まる。ピルロ監督は、大きな成功を味わった時代を共にしたチームメイトのキエッリーニやボヌッチ、ブッフォンらに監督という立場で再会する。チームは10季連続のスクデット獲得を決意するが、パンデミックによって、これまでより苦しい大会が待ち受けていた。

ユヴェントスと新監督アンドレア・ピルロはサンプドリアとの試合で勝利し、シーズンのいいスタートを切った。だが勝ち続けるためには、ベテランと若手選手のバランスを完璧にしなくてはならない。入団したばかりの選手たちは、チャンピオンズリーグでの対バルセロナ戦や、トリノとの“トリノダービー”において欠かせない戦力だ。

チャンピオンズリーグでユヴェントスはバルセロナとのセカンドレグを控えていた。メッシや彼のチームメイトを打ち負かし、グループで１位を取るためにはチームの結束が不可欠だ。そのためにはブッフォンの体のコンディションが重要となるだろう。彼はチームを1つにまとめる中心的存在だからだ。

2020年の締めくくりはユヴェントスにとって最悪の形となった。フィオレンティーナはこの年最後の試合でユヴェントスに勝ち、ユヴェントスのお祝いムードを台無しにした。その後、ユヴェントスは首位チームであるミランとの試合に勝つことで贖罪を果たそうとする。これは特にボヌッチにとって重要な試合だ。多くのユヴェントスファンは彼のミラン移籍を許していないからだ。

ユヴェントスにとっては激動の時期となり、友情とライバル関係の境がごちゃまぜになっている。コンテに負けたピルロはスーペルコッパ･イタリアーナで、元チームメイトで現在はナポリに在籍するガットゥーゾと戦い、挽回しなければならない。ナポリに勝てばユヴェントスは今季最初のトロフィーを獲得できる。キエッリーニがケガからの復帰に苦労する一方、デ･リフトには自身の真価を示すチャンスが訪れる。

チャンピオンズリーグ優勝への期待がユヴェントスに重くのしかかる。ポルトとのファーストレグは２対１で敗れたが、フェデリコ・キエーザのゴールがセカンドレグへの扉を開いた。セカンドレグでは、キエーザが２ゴールを決めるが、試合終了間際にポルトが得点し、ユヴェントスは敗退する。ピルロはこれに大きなショックを受け、ロナウドとベテラン勢はロッカールームで激しく落ち込む。

ユヴェントスはリーグ戦に集中しなければならないが、ベネヴェントに負けた後、ミランにも敗北。スクデットの夢が消えかかり、チャンピオンズリーグへの出場資格獲得が危ぶまれている。この苦しい状況の中、ブッフォンが今シーズン終了後にチームを離れると発表する。チャンピオンズリーグの出場争いから脱落しないためにはサッスオーロ戦で勝利するしかない。

激動の今シーズンも残すところ３試合となった。リーグ戦２試合とコッパ・イタリアの決勝戦が全て同じ週に行われる。これらはブッフォンがユヴェントスでプレーする最後の試合でもある。ユヴェントスはチャンピオンズリーグ出場権を得て、コッパ・イタリアのトロフィーを持ち帰らねばならない。そのために必要なのは全ての試合で勝つことだ。